⑤自衛官集合!(*゚∀゚*)!

3/5

5109人が本棚に入れています
本棚に追加
/916ページ
 百花姉が、誰もが知っている自信に満ちあふれた笑顔をみせてくれるようになって、柚希も嬉しい。  最近はおんぶひもで一路を背負えば、どこでも移動可能、なんでも行動できると、姉が座ってじっとしている姿などみたことがない。  よく考えたら姉も過酷な陸自訓練課程を経験してきたのだから、一路ぐらいの重さを背負うなんて軽々なんだろう。一路がまだ心許ない乳児の体格だったから丁寧に扱いすぎていただけ。いまはもう0歳児も後半にさしかかってきたぷっくりぷくぷく逞しい赤ちゃんだから、最近の姉は一路をひょいひょい背負って忙しく動き始めていた。一路もママの背中にいつもいられてご機嫌で、なんなら場所もかまわずすやすや眠っていることもあって気ままに見えた。 「あら、一路君。さっきまでおねんねしていたのに、お目々が覚めたらまたご機嫌ね。ほんとかわいいわね、かわいい」  芹菜義母もかわいい赤ちゃんがいる毎日で楽しそうだった。  娘がふたりできて、赤ちゃんもそばにいて、芹菜義母が夢描いていた『娘との生活』が叶って、毎日が充実しているとよく言っている。 「そうだわ。これ、モモちゃんのキッチン改装完了、芹菜ママからのお祝いね」  モモちゃんがここまで頑張ったご褒美よと、芹菜母が大きめのフラワーベースを差し出した。  モモ姉コーディネイトに合わせたシンプルな筒型の白と黒ペアのもの。陶器でできていて質がよいからなのか、シンプルなのにとても上品に見えるものだった。  そのフラワーベースを芹菜義母は、シンプルキッチンの窓辺ちかく、余っているスペースに置いた。そこにいま庭に咲き始めたチューリップを色違いで、一輪ずつ生ける。とたんにシンプルなキッチンのそこだけ色が際立ち華やいだ。
/916ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5109人が本棚に入れています
本棚に追加