⑤自衛官集合!(*゚∀゚*)!

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「季節のお花や、葉っぱがある草や枝先だけでもいいわ。野花でもぜんぜんいいのよ。なければないで、インテリアにして放っておけばいいからね。気が向いたら手をかけたらいいのよ」  百花姉の表情が輝く。シンプルキッチンでも、一点だけ華やいでいればそれだけで際立ち、お洒落になる。しかも気負わずに放置していてもOKというアドバイスも嬉しいようだった。 「ありがとう、芹菜ママ! 大事にします」 「気が向いたら、俺も花を探してきます!」 「あら、心路君が見つけてくるお花のほうが楽しみね。ママも自衛官さんの整頓術、真似させてね。とっても素晴らしいわ」  芹菜母は芹菜母らしく。百花姉は百花らしく。それでいいし、人ぞれぞれ長けていることがあって、人に尊敬されたり尊敬したりもそれぞれが違う形で持っているものだと、百花姉も心路義兄も気もちが軽くなったようだった。柚希も今回の件で学ばせてもらった気持ちだ。  父も長女が徹底的に整理したキッチンの変貌に感嘆のため息をこぼしながら、あちこち引き出しを開けて嬉しそうにしている。  そんな父が家族が揃っているそこへと振り返ったと思ったら、唐突に報告してきた。 「あ、また館野一家を呼ぼうと思っているんだ。百花の出産祝いをしたいらしいよ」 『館野(たての)』とは、父が教官時代に最後に受け持った冬期レンジャーの教え子自衛官。いま真駒内駐屯地に勤務していて、今度は彼が冬季遊撃レンジャーの教官になっている。三佐に昇格していて、とても優秀な自衛官。その前は、真駒内に所属していた旅団長、陸将補の副官を務めていて、そちら上官のお嬢様と結婚された方だった。
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