⑧しあわせのカタチ

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「ちょっと、お父さん。私もいちおう『奥様』なんだけどさ」 「百花は幹部だからこっち側だ。女だからしなくていいよと、こんなときは言われたいか?」 「やだ。プライド許さんっ」  姉のことは真っ向から自衛官扱いをしたのだが、姉はそれでしっかり納得できたようだった。 「それなら私も音楽隊員ですけど、自衛官で訓練していますからお手伝いします。百花さんもご主人が自衛官で、小さなお子様がいるのは私とはかわりませんし……」 「んー、そうだね。じゃあ、自衛官総出で、芹菜キッチン隊長のサポートにつき、美音先生にはいっさいお手伝いをさせない歓迎としようじゃないか」  自衛官一同が『ラジャー教官』と敬礼をそろえたので、拓人君と岳人パパがびっくりしていた。 「えー、俺も敬礼仲間になりたい!」  拓人君も『ラジャー』と後を追って敬礼。 「うむうむ。では、拓人隊員は臨時隊員として採用する」 「俺もお願いします。教官!」 「うむうむうむ。岳人隊員も大歓迎。料理上手な君は芹菜キッチン隊長の副官として命じよう」 「俺が副官! 将馬さんみたいで、なんだか嬉しい」  岳人パパまで敬礼で入ってきた。これはもうみんなで入隊だと、柚希と広海も一緒に『教官、お願いします!』と敬礼をして採用を請うてみた。  笑いが絶えない食事会が続く。  次は『美音先生歓迎パーティー』になりそうだった。
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