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そして、僕の背後から現れた彼女の姿に間抜けな声を出してしまう。
「え?」
そこに居たのは別府駅の構内で転びそうになった小さな子供だった。
その子供がテーブルの下に潜り込むように身を隠す。再び現れた姿に僕は更に驚いてしまった。
テーブルの下から出てきたのは赤いランドセルを背負った女の子だったからだ。
その子が今度はテーブルを逆回りに動き、僕の背後を通り抜けた。僕の視界に再び現れた時にはセーラー服姿の女の子になっていた。
「どうですか?」
そう言った女の子が僕の方に両手を伸ばして、僕の双眸を目隠しする。
その手から僕の双眸が解放されると、そこには元の彼女の笑顔があった。
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