僕と彼女(2)

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「あの世の存在のわたしが、この世の存在である物質を意識的に触れると、存在が不安定になって、あの世とこの世の狭間に落ちてしまうのではないかと」 「その間、触れている物はどうなっているんですか?」 「触れている間はこの世からは消えてしまっているようです。この世では見えなくなりますし触る事も出来ない。でも生き物には影響はないようですね。あとは人が手に持っている物とかは奪えないみたいです。繋がりが強いのかも」 「それで髪留め用の輪ゴムがガラス窓を通り抜ける事が出来たのですね」  と、理解すると同時に僕は思いつく。 「さっき見せてもらった悪い男の写真やフォトアルバムも?」 「はい。お渡しするまではこの世の方からは見えていなかったと思います」
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