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「見えていなかったんだ……」
「たまにありませんか? 物がいつの間にかなくなっていること。きっと、わたしのような存在が原因の一つだと思いますよ」
「神隠しみたいですね。もし見える状態だったら写真やフォトアルバムが宙に浮いていた事になるのか……」
それこそ摩訶不思議な状況に違いない。そこでもう一つ気になった事を訊いた。
「あの、僕には渡される前から写真やフォトアルバムが見えていたと思うんですが。そもそも、こうやって見えているのはどうして?」
「わたしたちの相性が良いからだと思います。お声をかけたのも、わたしの絵を描いていたからですし」
「描いていた?」
記憶を探るけれど身に覚えがなかった。
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