僕と彼女(4)

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「それに関してはノーコメントです。ただ、とてもありがたい事に食べても太りません。幽霊あるあるですね。体重もありませんが」  食事を進めながら僕らは会話を続ける。 「気になっていたのですが、他にも幽霊って居るんですか?」 「はい、あちこちにいらっしゃいます。よく見かけますよ」  と、彼女が咀嚼を終えてから応える。 「よく?」 「別府駅でも何名かいらっしゃいましたし、レストラン『neTworK』でも結構な数の方がいらっしゃいました。もしかしたら、賑わう所に集まる習性があるのかも」 「そうなんですね……。僕にも見えていたのでしょうか?」 「どうでしょう? わたしのような見え方をしていたら、気づくことができませんよね」  彼女が口の中の物を飲み込んでから訊いてきた。 「それで先程の絵葉書は完成したのですか?」  僕は頷く事で応える。 「……ありがとうございます。では父の元に届けようと思います」 「ポストに投函しないんですか?」  僕は気になって訊いていた。
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