4人が本棚に入れています
本棚に追加
私にしかできないこと
私にしかできないことなんてないと思う。
でも私しか涼真の親はいない。私だけが涼真の親として涼真の行く末を見届けられる。
そのためには生きていくこと、働くこと、体と相談しながら生き抜くこと。
病院に帰ってからシェアハウスへの転居を決め、退院後に仕事ができる体になるためにもう一度治療に取り組むことにした。
涼真が差し入れてくれるミントティーが私にはあっているらしくなんとか飲むことができた。
いくつかの治療を組み合わせながら、入退院を繰り返している。来年には手術を受ける予定だ。
絶対なんてない。保証もない。
子どもにしがみついているみたいで格好悪いし、ちょっと怖い気もするけれど、今は涼真を言い訳にして頑張ってみる。
それも悪くない、と思う、いや悪くないのだと思いたい。
そうね、落ち着いたらやってみたいことも少し考えてみるようになった。
大熊さんとお茶をして、こんなデートをしてみたかったなと思ったのだ。
まずは素敵な人を見つけて喫茶店でお茶をすること。アラフォーの青春を生きてみること、それが今の私の望み。
大熊さんとデートでもいいのだけれど。
最初のコメントを投稿しよう!