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「あ、兄貴、評価順位が……、『評価不可能』って、これ多分最下位じゃ……」
「黙れ」
「やっぱ兄貴、あの記事まずかったんじゃ……。だって他のサイトやマスコミまで僕達の事批判してる……」
「黙れ!」
「世界的有名歌手が差別を煽ったなんて嘘情報を信じてそのまま掲載しちゃって、しかも僕達の記事も本人が名指しで……」
「黙れやぁ!」
「イッ!? か、顔蹴るのやめてくれよ兄貴!?」
「そんなデマ言った奴が悪い! 間違って報道したメディアが悪い! 閲覧者どもが悪い! 投稿したお前が悪い! 世の中が悪い! 神が悪い! 世界が悪い! 俺以外の全部が悪い! 俺は悪かねぇ! 俺は絶ッ対に悪かねぇ!」
「あ、兄貴……うわっ!」
「な、なんだ今の音!? ……って、何だこれ!?」
「窓ガラス割れてる……、誰かが石を投げてきたんだ!」
「んなもん見りゃわかるだろぉが! クソッ、誰がこんなの……」
「あ、兄貴、外を……」
「あ? 外がどうしたんだ愚弟」
「何か、デモ隊みたいなのがいる!」
『デマ記事はやめろ!』
『そうだそうだ!』
『嘘と憎悪にまみれたまとめデマ記事を書く兄弟は、今すぐ出て謝罪しろ!』
『そうだそうだ!』
「おい、何だよこれ!?」
「僕が知りたいよ! てか、何で僕達の事知ってんだ! まさか、あの『相応のペナルティ』って……」
『嘘つき兄弟に、罰を!』
『罰を!』
『ヘイト記事を拡散する兄弟に、罰を!』
『罰を!』
「うるせぇ!」
「ちょ、ちょっと、また石投げてきた!」
「クソッ、ゴミどもが! 警察に連絡し……、何でだよ、スマホ繋がらねぇ!」
「兄貴、僕のスマホもだ。電話もダメだった!」
「どういう事だよ……!」
「ちょ、兄貴、何かデモ隊がこの部屋に向かってきてる!」
「何だと!? おい、テメェ何とか玄関死守しろ! 押さえつけろ!」
「う、うん……って、うわぁ!?」
「な、破られた!?」
「い、い、いぎゃ! 踏まな、いぎゃ! ぎゃぁぁぁぁっ!?」
『兄弟に、罰を!』
『罰を!』
『兄弟に、罰を!』
『罰を!』
『罰を!』
『罰を!』
「おい、くんな、くんな、くんなくんなくんなくんなくんなぁぁぁぁっ!」
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