第二葬 孤独

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「確かに。めっちゃありましたね、この袋。赤堀さんって、見積もりの時にそんな所までチェックしてるんすね」 「あの人はプロ中のプロだから。さて、やろうか」  青山はそう言って希釈した次亜塩素酸をシミに噴き掛け、コテで体液を削り取っていく。一件目で見たような蛆虫の卵などは無く、汚れの厚みも薄いため半時間で全て取る事が出来た。 「さて、そろそろ窓を開けても平気かな」  青山はそう言って防毒マスクを外し、シンク上の小窓を開いた。創世も続けて防毒マスクを取るが、ほとんど臭いは残っていなかった。ただ、意識を集中させると微かに死臭を感じる。 「君は鼻が利くから臭い残り分かるだろ? よし、念のためにフローリングを外してみよう」 「えっ、でも最低限の清掃で良いって話じゃ」 「僕達はプロだ。いくら依頼者が適当にしてくれと言ってきても、中途半端な仕事は出来ない。赤堀部長も言っていただろう? 死の痕跡を完全に消し去る事で初めて仏さんは天国へ行けるって」  青山はバールを使って数枚のフローリングを剥がし、照明を当てて中を確認する。すると、一部に体液が染み込んだ木材がある事に気づいた。
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