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創世はそのメモを再びアルバムに挟み、新しく組み立てた遺品用の段ボールケースにしまった。
ゆっくり時間を掛けてはいられないと、書籍や趣味のDVDはゴミ袋に勢いよく入れていく。最終的に残ったのは、一冊のアルバムと子供が描いたイラスト、そして一通の手紙だけだった。
イラストには『お父さんいつもありがとう』という文字と必要以上に青髭を描き込まれた男性の笑顔がある。
――――結婚もしてないから俺にはよう分からんけど、こういうのは何年経っても捨てられんのやろな。
創世がイラストをジッと見つめながらそんなことを思っていると、(アイタイ)と嗄れた声が耳の奥に響く。
――――この声、結構年配の声やな。本條さんか? この感覚、マンションで殺された女の人の声を聞いた時と同じや。脳に直接、訴えてくるような感覚。遺念に違いない。
「会いたい人は、誰なんすか?」
思わず創世がそう口にするが、遺念は返って来ない。清掃の手を止めた青山が不思議そうな顔で反応する。
「創世君、どうした? 今、何か言った?」
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