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「本條陽介様の携帯番号でしょうか?」
『はぁ、そうですが。どなたさんですか?』
「白創清掃社の白崎創世と申します」
『清掃……社? もしかして、おとんの?』
「はい。先程清掃が全て完了しました。本日は一つお願いがあって連絡しました。出来れば、お父様の家を見に来てはもらえないでしょうか?」
『いや、大家さんにも言うたと思いますが、おとんとはずいぶん昔に縁を切ってるんです。今さらおとんの遺品を見ても何も感情は湧きませんし、おとんも俺なんかに会いに来てほしいとは思ってないでしょ』
「いや、お父様が会いたいと思っているから僕は今、電話をしているんです。お父様はあなたとの写真やあなたが子供の頃に描いたイラストを大事そうに持っていました」
『ハハ、そんなんで俺の気持ちが揺さぶられるとでも思ってるんすか? 俺にはもう家族がいるんですよ? 訳わからん宗教を無理やり継がせようとする親なんか俺の家族じゃない。おふくろが死んでから、おとんはおかしなったんです。その写真もイラストも、全部捨ててください!』
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