十五の夜…は危険な香り

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▼登場人物▼ ☆笑福亭Bee ☆お巡りさん二名 大人に憧れる15歳 色々な経験をしたつもりがまだまだ子供 今回の話はお巡りさんネタです 好奇心旺盛な15歳 しかも夏となると開放的な気分になり何かをしたくて仕方ない ある夏の夜なかなか眠れない私はあてもない深夜徘徊をする事にした 一人夜道を歩いていると見知らぬ家前に一台のバイクが鍵付きで止まっていた 「免許まだないから乗れないなぁ…」 え?そう言う問題じゃないでしょ 人様の物に対してその答えはおかしい 今じゃありえない考えだ しかし15歳は恐ろしい 「お借りします」 気が付くと石コロで道路へ手紙を書いていた 風を受けながら走る人様のバイクは気持ちがよい いつしか私は尾崎豊の十五の夜を口ずさむ 「盗んだバイクで走りだすぅ~♪」 最高だ! 「盗んだバイクで走りだすぅ~♪」 やっぱ最高だ! 「盗んだバイクで走りだすぅ~♪」 そこのフレーズしか知らないのは言うまでもない 「はい!止まってぇ」 「ドッキ―ん!」 バックミラーを覗けば赤いライトがクルクル回っている 「俺は一流レーサーだ!逃げ切って見せる」 スゴい思い込みで自己暗示をかけた 「おい!止まりなさい」 「止まれ!」 「止まれって言ってるだろ!」 お巡りさんの必死が伝わる 「止まらないと大変だぞ!」 止まっても大変である いつしか頭の中で廻っていた尾崎豊も次第に変わっていた 「盗んだバイクで…盗んだバイクで…盗んだ盗んだ盗んだ…盗んだバイクは窃盗罪」 ようやく気付いたようだ もはやお借りしたバイクはガス欠状態 あえなく御用となった 「名前は?」 「尾崎豊」 軽くパニックらしい 「このバイクは?」 「ヤマハです」 結構パニックらしい 「メーカーじゃなく盗難届けが出てるんだよ!」 「じゃ届けた方がいいですね」 完全にパニックである その後で警察署で犯罪者リストの手続きをし釈放されたのは朝の4時である 私は持ち主の家に詫び向かった 「ピンポーン」 こんな明け方に誰も出るはずはない 私は何を思い付いたのか石コロを手に道路へ手紙を書いた 「お借りしたバイクなかなか良かったです また貸して下さい 今度はガソリン満タンにして返したいと思います」 十五の夜は明け方を迎えた
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