☆天国からの手紙☆

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私はなぜ笑われているのかわからなかった 「オマエ 面白い事言うなぁ」 担任までもが意味不明な事を言っている 「じゃあ これを誰か答えてみよう」 担任の指名をはずれ私は席に座りワケがわからない状態で授業は終わった 冗談にしても何かがおかしい… 冷静を取り戻そうと一人トイレへ行き席へ戻った 「さっきは面白い事言ったねぇ」 友人が話かけて来た 「冗談じゃないんだけど…もしかしてクラスで騙してる?」 「ねぇ…本当に大丈夫?なんか今日は変だよ!」 友人は真面目な顔で答えながら続けた 「もう一人いたりして…」 私はこれ以上問いかけた話をすると自分が変に思われると思い会話の内容を変え その日の学校をやり過ごした 家へ帰り今日の出来事を誰にも話さず何も考えずひたすら眠る事にした 「もう一人いたりして…」 友人の言葉にとまどいながら深い眠りについた 【激痛から4日目】 腰の痛みなど忘れ 前日の噛み合わない話など気にもせず午前で学校を終えた 午後は友人達と草野球をする約束を交わして皆一度帰宅をした 「ジリリリ…」 家の電話が鳴った 「電話出てちょうだい?」 母のお願いに私は電話に出た 「もしもし?」 「あ…杉本だけど…」 「杉本…あ!幼稚園の時の?」 「うん!元気?昨日は何だったの?」 「昨日?何?昨日って…しばらく会ってないじゃん?」 「昨日の夜11時頃に俺の家に来たじゃん!どうした?って聞いても何も言わないし…顔は青ざめて服は濡れてるし…俺がバスタオル取りに行ってる間に帰ったじゃん!」 「えっ…ごめん 何言ってるかわからないや…」 「とにかく何でもないならいいや…またな!ガチャ」 私は確信をした 私ではない私の存在に 確実にもう一人私は存在している 「もう一人いたりして…」 私はその存在の事を考えながら草野球へ向かった 「遅くなってごめ…」 遠くで集まっている友人達へ声をあげ手を振ろうとした時だった 確実にもう一人の存在はそこにあった 自分じゃない自分が野球をしている それが現実なのか 彼は何モノなのか 気が付くと私は家にいた どの道を帰って来たのか覚えてなどいない 私は母へ相談した 「そっか…お母さんねぇ 本当はもう一人と会ったんだ 青ざめた顔してて話かけても何も言わない 振り返ったらもういなかったから…なんかおかしいと思った」 母は冷静に続きを話始めた
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