☆天国からの手紙☆

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「さっきお母さんの友人から電話が来てね…いきなりだけど何も変わりないかい?って言われたのよ その人の勘って結構当たるのよ…何かあるかもしれないから本当に気を付けなさい!」 母はそう言うと清め塩を私に持たせた とその時 「ピンポーン」 家の呼び鈴がなった 「はーい」 母がドアを開けると草野球をしていたはずの友人達が数人立っていた 「急にいなくなるんだもん 忘れ物届けに来たよ」 一人の友人が忘れ物を差し出した 「…えっ」 それは数日前に捨てたはずのボロボロの見覚えのある私のスニーカーだった 「あ…ありがとう」 母は友人達にお礼を言うと追い出すかのようにドアを閉めた 母と私はしばらく顔を合わせていたがそこに言葉は出てこなかった 私は怖くなり自分の部屋へと閉じこもった いつの間にか度重なる非現実の出来事に疲れたせいか朝まで目を覚ます事なく眠り続けた 【激痛から5日目】 日曜の朝だった すべてに嫌気がさしたので気分転換をしようと自転車に乗り一人で川原へ向かった 「ズキン!」 またもや激痛が走った 「うっ…いってぇ…痛っ」 我慢出来ず家へ引き返し玄関の扉を開けた あまりの苦痛で歪んだ私の顔を見た母は台所から塩を持ち出し投げつけるかのようにふり撒けた 「一緒に来なさい!」 母は私の手を握り外へ出た 走って来たタクシーを止め行き先を伝えては急ぐように頼んだ 「着きましたよ」 そこは見知らぬ家の前だった 「さぁ降りるわよ」 母は前より強く私の手を握りしめ見知らぬ家の呼び鈴を鳴らした 「ピンポーン」 見知らぬ家の玄関が開いた 「待ってましたよ さぁ2階へ上がりなさい」 短めの髪を整えた40歳半ばの女性はここへ来た理由も聞かず私達親子を招き入れた
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