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愛憎…貴方と私
今日から私は、この部屋の住人になった。
壁がやたら真っ白で、凹凸が無くて、殺風景な部屋。
2年前、
貴方とオンラインで会話をした時、画面越しに見た風景と重なり合った。
事故物件を訪ね歩いた甲斐あって、遂にこの部屋にたどり着いた。
玄関の壁をよく見ると、壁の所々に更に真っ白な刷毛の様な跡が、大、小様々、上下左右に飛び散っている。
そっと、刷毛の跡を指先でなぞってみる。
なんだか、温かい。
その指先を唇にあててみる。
なんだか、生温かい。
私の血潮が、身体全体メトロノームの様に、時を遡りリズムを打ち始めた。
あの頃の様に、自然に流れる様に…。
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