運命に惹かれ

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私は昔から惚れっぽい女の子だった。物を落とした回数より恋に落ちた回数が多いくらいで、笑顔を向けられるだけでいつも胸がドキッとしてしまっていた。 加えて私は運命とかそういった類のものを信じていたので、私の人生は運命の出会いで溢れていた。 容姿にはそこそこ自信があったし、ヒマワリに例えられるほどではないけど自分は明るい性格だと思っている。 ただ秋の空よりほんの少し移ろいやすい私の女心のせいで、どの恋も長続きしなかったし、しつこく付きまとわれるいわゆるストーカー被害に会うこともあった。 とはいえ嫌なことがあってもそういう運命だったで片付けてしまっていたから、公務員として4年たってしまったけど、タチの悪い運命論者に育ってしまったと自分でも思って 今でも落ち着いた彼氏のひとつもできないでいる状況を打開するべくマッチングアプリを始めたはいいが、惚れっぽい私でも幻滅する小石のような男ばかりであった。 次に会う人で最後にしようと思い、毎晩日課のごとく右にスワイプをし続けていた。 そんな時目に止まった彼は、写真から誠実さが溢れ出ていた。 IT勤め、高身長、年上高収入と、何拍子揃ったプロフィールもバッチリで、私は1週間ぶりに左スワイプをした。 話も盛り上がり、ようやく今日仕事終わりに初めて会うことになった。 運命の人の予感に胸を膨らませながら、私は電車から降り立った。
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