運命に惹かれ

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初めて会ったとは思えないほど、私と彼は意気投合した。 マッチングアプリの良いところは、趣味や価値観などお互いの好きがわかっているのがスタートラインなところだ。だから真夏の氷のようにすぐに打ち解けたのだと思う。 彼の職場と自宅が初めて会った駅の近くだったので、その周辺で会うことが多かった。可憐ながらも少し大人びた桜並木が迎えるとても素敵な場所で、スタンプラリーがあったら完全制覇してるくらいには2人で様々な店を巡った。 そうして今日は、かねてより2人とも興味があった映画を見に行った。 「いやー面白かったですね!」 「ですね!とくにクライマックス、僕びっくりしましたよ!」 「前は敵だったのに共闘するのは熱い展開でしたね!痺れます…!」 彼はうんうんと大きく頷き、自分の肌と同じ色をした甘い甘いミルクティーを口元で傾けた。 「あと、ラストのあれってどう思います?」 「うーん、僕的には続編に向けたファンサだと思いました。」 「ですよね!私はあのキャラが……」 こうして深い感想が言えるのも、趣味が共通してるのがわかっているマッチングアプリの特権だ。
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