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「ふ……、はあっ……」
尖らせた舌先で煽るように上顎を舐められ、三輪はこらえきれずに小さく喘いだ。声を漏らして体を震わせると、舌はするりと出て行ってしまう。唇を解放されてホッとするはずが、三輪が抱いたのは喪失感だ。
「……いやだ、やめるな。気持ちいいから」
「主任――」
願いはすぐに聞き入れられた。唇を割って入ってきた舌に、今度は自分から舌を絡める。戯れめいた攻防をくり返し、息と唾液を交わし合う。分厚い舌で喉奥を突かれると、呼応するように後ろの窄まりがきゅんと収斂した。
「もっと俺に触って、離れるな……」
腰に両脚を腰に巻きつけ、男の体を引き寄せる。キスを続けながら、限界まで膨らんだ昂りを相手の屹立に擦りつけると、隙間なく寄せ合った体が勢いよく跳ねた。
もしかしたら今の刺激でまたイッてしまったのかもしれない。だが香川のそこは萎えていなかった。
三輪は絡めた舌を解き、顎を引いて男の顔を見つめた。薄く開いた唇は二人分の唾液で濡れ、瞳は欲望を滾らせて揺れている。きっと今の自分も、香川と同じような顔をしているに違いなかった。
「もう限界、挿れたい……っ」
吐息混じりの切羽詰まった声に、胸がたまらなくうずうずする。口の中を舌と唾液で満たしてくれたように、逞しい雄で後ろをいっぱいに満たしてほしい。自分さえ触れたことのない深い場所で、香川の熱を感じたかった。
三輪は男に視線を縫い留めたまま、汗を滴らせている首に両腕を回した。自ら腰を上げ、みだりがましく「欲しい」とねだる。三輪の方こそ、とっくに限界だ。
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