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12.立秋
陽が暮れて去りがたき人のなぎさかな
夏休み誰かの呼ぶ声いい香り
ゲーム終わり電源落として夏風吹く
虚無と書いたガラスの上に雲崩れ
うち揃い大洗へと向かう夏
年齢性別不明とラジオ告げる
白鷺のめずらしくない里の夏
君と行く里山早や寒蝉鳴く
空は秋いつもお揃い赤と白
夏休み好きな顔描きすぐに消す
夏の道君と歩いた向うの雲
忍城の水面震えて夏去りぬ
季節移り再びの月水静か
標識のかすれも親し夏の旅
繭の聴くバッハの音色やわらぎて
蜩や愛した人の弱さかな
夏祭神に施す外科手術
夏休み旅の終わりの月の川
秋近しうさぎの肥ゆる素月かな
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