22.小寒

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22.小寒

 行き止まりまた出てゆく春を待つ  手を合わせ祈る少女や女躰神社  冬の川スカイツリー灯る家路かな  冬の川時折夢の浮かび来ぬ  いくたびか別れて辿るあの冬の日  人々の影残し行く五日かな  隙間から賽銭投げる初恵比寿  七福神うち揃いての寝正月  新年も気配り強いる空気かな  自転車並べ金網見てた冬休み  おいしいと訊かれ咳き込む手弁当  冬の旅あっけなく終わるぼっち線  寒流星ないしょの祈りわりとマジ  すれ違い春に巡り会うこの駅で  陽が伸びてポイント切り替え音軽く  彼の名前そっと呼んでみた三学期  雨あがり菜の花の露春近し
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