6.立夏

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6.立夏

 薫風の恋空広き時空かな  降り注ぐバラの香りを嗅ぐおじさん  赤き薔薇大きくゆるりと(くた)りけり  薔薇の名前むせる香りの若さかな  初鰹さくをたっぷり厚く切る  草いきれ思い出すこと二つ三つ  切り口の夏陽を浴びて動きたる  筑波山見もせで鳴くや夏の鳥  透き通る赤きトゲの舌触り  息止めて目をつぶってファストキス  ピンクの鼻触らせてほしい夏の虎  子育ての悩みありや夏ゴリラ
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