9.夏至

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9.夏至

 檻の夏オランウータン静かなり  想い出のゆらりと揺れし夏至の川  葛切を稲荷に供え家路へと  夏至パスタゆで上がり陽も射して来る  観光客覗いて去りぬ夏至の暮れ  夏の夕陽巨きな蝶の飛び立ちぬ  川遊び空の広さを確かめる  運河ゆき夏草ゆけば風強し  梅雨明けて銀河の道も晴れ渡る  雨の日を求めつつ逝く紫陽花や  ケーブルカー夏草の中すべり降り  おむすびと熱い味噌汁夏の味  春に生まれ夏を越せるや猫の脚  ここはまだ生命の半ば半夏生  雨乞いの助けに来るや赤とんぼ  水鳥のもの憂げに飛ぶ夏なれば  
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