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後からわかったことだが営業課長は
思っていたより嫌われていたようだ。
送別品の色紙には
「ありがとうございました」
「お世話になりました」という言葉が
溢れるはずだが、空白だらけの色紙が
渡されたのだ。
もちろん私達も何の御礼を
言うつもりもないので書かなかったが
渡す前にどんな事が書いてあるのか見てみたら
50個のマスに15人ほどしか書いていない。
今回の事でもそうだが営業課長は
仕事の時も自分の保身に走る為
部下に責任転嫁をする事が多い
商談中に部下を貶し自分を上げる為、
相手先から聞いてて気分が悪いと
出禁になったこともある。
ほんとに人望がないのだ。
富永さんに至っては
「こんな無能な上司初めてでした。
もう顔も見たくない」
と書いていた笑
色紙の贈呈って意外と残酷だなと
思った瞬間だった。
(これ、歳の近い自分のお父さんに
当てはめると相当ショックだな…
と心の中で思った。)
これで当事者全てが居なくなった。
平和になった課内ではスキャンダルもなく
穏やかに過ごしていた。
ゆり先輩が
壮絶な辞め方をしたという
衝撃的なニュースが営業課に
流れるまでは
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