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異形の落とし児
双つ子は 悪しきものたちの落とした児
間引きましょ
間引きましょ――……
「乙葉! 乙葉どこっ!」
彼女が金切り声で呼ぶ。五月蝿い。行きたくない。それでも乙葉の脚は従順に彼女のもとへと向かう。
「一葉さま、どうかされまし――」
むせ返るような濃い香りにあてられて、口をつぐんだ。
一葉が立っている。父から贈られた立派な衣に身を包んだ一葉。
山吹の地色に、白い翼を広げて舞う瑞鳥と、鮮やかな牡丹が縫い取られた見事な衣。その裾や袂が、今は赤黒いもので汚されていた。
視線を下ろせば、彼女の足元にぐでんと力の抜けた下女が転がっていた。動かない。乙葉は目を見開いた。まさか。
「……殺めた、のですか?」
「この女が無礼な口をきくからよ! あたくしは悪くない!」
そう言いながらも、一葉の顔は青ざめていた。
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