#2 封筒

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 中には、三つ折りの紙が1枚。  首を傾げて開いてみると、目に飛び込んだ文字に食後の眠気がすっ飛んだ。 『 お前の不正を知っている   告発されたくなければ 会社を辞めろ 』  ーーーはあっ!?  と、出しそうになった声を飲み込んで、片手で口を塞ぐ。  幸い、昼休み真っ只中のオフィスは人影が疎らで、残っているのは私を含む昼食持参の数名だけだったが、今叫ぶと変な気遣いをされかねない。  ーーーそれにしても。  私の〝不正〟とは何なのか。  真っ白な紙の真ん中に1行だけ印刷された文字を見つめ、考えてみる。
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