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「それは言い過ぎ、滝川」  きっとこの状況を見かねたのだろう。恵梨香が間に入ってくれた。 「これは全員の問題だよ。柚希だけの責任じゃない」 「……すいません」  滝川は謝ってくれたが、私は何も言い返すことができなかった。  私は、この数カ月、何をしていたんだろう。私がいても、いなくても何も変わらなかったんじゃないだろうか。  そう思っていたら足元がフラつきそうだった。しかし、ここで倒れているわけにはいかない。チームを放りだしている場合じゃない。  そんなのは逃げているだけだ。  私はその日の夜、朝香先輩にLINEを送った。チームが大敗したこと、全然うまくいっていないこと、楓音や恵梨香がキャプテンだったら滝川の発言はなかったんじゃないかということ、そんなことを長々と書き連ねた後、帰ってきた返事は一言だけだった。 『それでも私は杉浦柚希がキャプテンに最適任者だと思ってるよ』
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