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う...うーーん
白雪が目を開けました。
ぼんやりとした視界が徐々にクリアになり目に前に黄色に色の縞の帽子を被った見知らぬ男の顔が見えます。
知らない場所。棺の上……
白雪は途端に目を大きく見開き、その瞳は恐怖で一杯になりました。
あれ……あれれ?
女の子が目が覚めたら……
助けくれた→ありがとう→王子様だいすき!ってなるはずだったんだけどなぁ…
それから、ゆっくり知り合ってお互いの事を話してーー。
思っていた反応とは違ったので 、王子様は少し困惑してしまいます。
「い...いやだ。ごめんなさい。嫌なことしないで... 」
白雪はブルブルと震え、余白のない棺の中で身をよじって後ずさりました。狭い棺はすぐに後ろに行き当たりこれ以上逃げられなくなって白雪はよりいっそう警戒感を高めます。
これまで人の好意を受けてこなかった白雪は、お付きの男性からも継母と言う女性からも散々ひどい目にあってきた白雪は、人を信じることができませんでした。すべてのものが恐かったのです。
「ま...待って。待って。僕はエリック。ここはお城。君は森の中で倒れていたんだよ」
なぜ棺に入っていたかについては情報過多なので、ここは一旦ふれずにおきます。
「そうですぞ。王子様が発見されなければ、お助けにならなければ今頃森の中で干からびておりましたぞ」
王子様の後ろからひょっこりと顔を出した家臣たちが厳めしい表情をしてうんうんと受けあいました。
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