三章 森の中での出来事

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森の中…… 白雪姫の棺を目の前にして小人たちが泣いていると、遠くの方から馬の蹄の音が聞こえてきました。 恥ずかしがり屋で、警戒心の強い小人たちは慌てて木々の影に姿を隠します。 やってきたのは鼻筋に草模様のある白い馬に乗った青年とその従者の3人でした。青年は木立の中にぽっかりと空いた空間に置かれた木製の棺に目を止め馬から降り箱の中を覗き込みます。 ≪ありゃ……これは……人……かな≫ よくあるお話しで伝わっていることとは違い、王子さまはまあまあ冷静でした。そして木製枠にはめられた全面ガラスから中を覗き込みます。 ≪それにしても可愛らしい人だな。棺に入っているということは亡くなっているはずだけど、とてもそうは見えない……≫ ≪もう少し……近くで……≫ 「あ痛っ。」 王子さまは良く磨き上げられたガラスだったので気が付かずに接近しすぎてしまい、額をぶつけたはずみでガラスがずれました。 はぁーーああ……。 (((((((一体何をやっているんだか))))))) その様子を木の陰から固唾を呑んで見守っていた7人の小人たちはいっせいに小声でため息をつきます。 (((一国の王子様が、だ……ださい。どじすぎる……))) と、こんな風に遠くから見られた上で小人たちに呆れられているとは露ほども思わず、マイペースな王子さまはお付きの物2人を後ろに立たせたまま続けます。
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