三章 森の中での出来事

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「こんな簡単にとれるんだったのか……」 独り呟きながら王子さまはガラスに手をかけて前面の大きな1枚を取り外します。 (((あぁ……どうせ高貴な人の気まぐれなのだから、早く通り過ぎてくれないかなぁ))) 小人たちのため息をよそに、王子さまは端正に整った顔の顎のあたりをさすりつつ、考えを巡らせる様子をみせながら木枠の端に腰かけ、中を思いっきり覗き込みました。 ≪うわっ。可愛い。≫ 白雪の透けるばかりの白さに陶器のに滑らかな肌、それを引き立てている艶やかな黒髪、つんと小さな鼻先に死しても尚バラ色の頬、ふっくらとして小さな唇はふんわりと引きあがり、ほほ笑んでいたのでまるで眠っているかの様でした。 ≪でも、棺ってことは死んでるんだよなぁ……≫ ぷにっ。 唇に触れてみました。 ぷにっ。ぷにっ。 ……えっ?なんで死体の、よりによって唇なんかに触れるのかって? 仕方ないじゃない。だって。男の子だもん。。。
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