三章 森の中での出来事

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「こ……これはだね」 続きの言葉を紡ぐ前に、アリシアは軽やかに駆けて王子様に近づき肩越しにその木枠を見ました。 「まぁ!その手に持っていらっしゃるのは棺ですの?」 いつも朗らかなアリシアの顔がさっと曇ります。 不吉な……と言いかけて、王子を傷つけると思い直しそれ以上言うのは辛うじて止めました。 「ち…ちが……」 「あら、何が違うんですの?」 「こ……これはだね。人形。そう。に、人形さ!」
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