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そしてその時はやってきました。
白雪が13歳になったある日。
”鏡よ鏡、この世界で一番美しいのはだぁれ……?”
新しいお妃様は再び同じ問を魔法の鏡へ投げかけました。
馬鹿正直な鏡は答えます。
”この少女です”
鏡に映ったのは、苛め抜いてボロボロにしたはずの白雪が……
今度は白雪ただ一人が、ぷっくりとした少女特有の頬を薔薇色に染めて中庭で
はにかむそれはそれは愛らしい姿でした。
そして暫くすると鏡の魔法が解け、ただのガラスに戻った鏡面に
5年前よりも5歳分の齢を重ね嫉妬で醜く眉間にしわを寄せた自分自身の姿が映し出されます。
お妃さまも穏やかにさえしていれば十分美しいのですが……
嫉妬と焦りに狂った彼女の頭からは、すっかりとそんなことなど吹き飛んでいます。
”王様の愛を失ったらどうしましょう?”
”他人の目から見ても美しいのに、愛らしい実の娘になんて勝てるはずがない”
そうして勝手に自分を追い込んだお妃は、ついに命を下します。
「白雪姫をどうか深い森の奥へ連れて行って、そうして殺しておしまいなさい!
……良い事?証拠はきっちりと持ち帰るのですよ!!!」
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