二章 森に連れていかれる白雪姫

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ーーところ変わってーー 「分かったわじいや。お父様はいつものようにお忙しくて来られないのね?」 馬車はガタゴトと音を立てて森の中を進みます。 白雪は続けて話しかけました。 「あら?今日はいつもの道ではないのね?」 ふさふさと生えた白髪を短めに揃え、小綺麗に整えた口ひげの上に小さな鼻眼鏡をかけた古くからの従者は震えを隠しながら答えました。 「季節が良いので、こちらの景色が綺麗かと思いまして……」 ガラガラガラ。ピタリ。 そうして。馬車は前触れもなく、何もない森の真ん中で止まりました。 「変ですな。外を点検して参ります」 「ええ。頼んだわ」 と、白雪。 暫くして爺やは、こう呼びかけました。 「申し訳ございません。原因は分かったのですが中々修理に時間がかかるようでして……、一旦馬車を降りて頂けないでしょうか。」 「そうなのね。もちろんかわまないわ。」 そういって白雪は小さな足を扉から出し、軽やかに馬車を降りました。 「申し訳ないけれど、お願いね。」 そう告げて、近くのリンゴの木の方へ向かい足を一歩踏み出した所でした。
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