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真夜中
スマホの頼りない灯りで作業を始めた。
少しでも手元が狂えば、一貫の終わりだ。
慎重に手を動かす。
まだ肌寒い3月だというのに、私の額には汗が滲んだ。
時間はかかったがなんとか事を終えた。
無言で横たわる夫の一部を切り取ったのだ。
私に非がなかったのかといえばそうとも言いきれないが、元はといえば夫が悪いのだ。
これで良かったのだと何度も自分に言い聞かせているうち、私は疲れて眠りに落ちてしまった。
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