1.初めての団体戦

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1.初めての団体戦

 先日の新人戦全国大会でレイラが優勝、アリスが3位と見事な成績で戻ったばかりの二人だったが、休む間もなく今度は夏に行われる団体戦の練習に入ることになった。  高知大学剣道サークルでは、レイラやアリスのような強い選手がほとんどいなかったため、その二人をメイン選手として起用するということらしい。  レイラはバイトもしばらく休むことにし、早朝ランニング等の自主トレに入った。先日の新人戦で体力の無さを痛感したからだ。  それならとアリスまでランニングに付き合うことになり、筋力をつけて体を絞っていった。  結果団体戦の先鋒にレイラ、大将にアリスが抜擢され、調整に入ることになった。剣道の団体戦では、5名の選手中、最初の先鋒と最後の大将が重要な位置づけ(ポジション)となる。その場所に新人二名を入れることは、サークルの歴史上初めてのことかも知れない。  県予選が始まったが、県内の大学は少数で剣道部やサークルもあまり大きくなかったからか、団体戦にエントリーしているのはうちだけだったので、県予選で戦うことはなく、そのまま四国地区予選へと進んだ。 四国地区予選でも他を寄せ付けず1位通過でき、いよいよ全国大会に入っていった。  今年の大会は、青森県で行われることになっている。高知から行くには羽田で飛行機を乗り継いで、まる1日の行程になる。  高知空港を朝1番の飛行機で出ても、会場となる弘前(ひろさき)市に着いたのはもう夕方だった…。
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