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「心理的瑕疵として定職に就いた、僕の仕事は一つ。都内としては安めの賃料でカモを釣り、やって来た客を脅して速やかに退去せしめること。そうすれば、敷金礼金はまるごと家主の元に戻るって寸法だ」
「あっこれ、ドラマ『正直不動産』の一話で見たところや!ドラマと違って、大家が直接手を下してるわけではないようやけど。ってか俺、部屋借りる際に心理的瑕疵がどうとかの説明は受けへんかったけど?」
「勇輝の前に、一人住人を挟んだからだね。九州からやって来た、男おいどんだよ。これは顔が好みではなかったため、家主の指示どおりに即刻退去せしめた。夜中にちょっと姿を見せてやったら、そのまま部屋を出て300mは逃げて行ったよ。赤子の腕をチキンウイング・アームロックでへし折るが如き、たやすき作業だった」
「マジか。広夢って、面食いだったんやな…。ってか、俺のオ○ニーを食いつくように見てたのも理由はそれかい。俺は、バッチリ好みのタイプだったってこと?そもそも、アレですか。広夢くんはその、組合員の方でらっしゃるんですか…?」
「よく言われるけど、違うよ。僕は女優で言うと浜○美波あたりが好きな、どこにでもいる普通の男子だった。生前はね。そして、勇輝に出会う前までは…。君が部屋にやって来て、ひと目その顔を見て。すでにない身体に電流が走って、すでにない心臓が高鳴るのを感じた。生きたままであったら、きっと自分の中のこんな性質には気づかなかったと思う。あ。あと同じ日に風呂入っている姿を見て、いい身体してらっしゃるなーと」
「水泳部で、鍛えとったからね。ってか、会った初日から風呂覗いとったんかい」
「それと、折に触れてご自分を慰めてらっしゃった姿も…。自分でも、いけないなーとは思いつつね。僕の姿を見せようと、試みたこともあったよ。ただ、どうにも波長が合わなかったらしく…。思いつめて、君が寝ている布団の上で正座させて頂いた次第だ」
「アレか。心臓に悪いので、やめてくださる?まぁえぇわ。怪我の功名で、広夢の姿は見えるようになったわけやな。そして、○液をぶっかけた結果実体化もするようになったと…?」
「そうだね。僕自身も、驚いた。幽霊の世界って、まだまだ僕の知らないことがあるもんだね…。でも、こうして君に巡り会えたこと…。そして実体化できたことは、運命の導き合わせだと思う。突然のことで驚くだろうけど、君を愛している。今までの18年間の人生では、感じ得なかったほどに。もう、見ているだけでは心から満たされないんだ…。勇輝と、(性的な意味で)結ばれたい」
えぇー、(性的な意味で)かよ。驚くどころか、さっきから超展開の連続で頭が理解に追いついてないわい。とりあえずまた1000文字超えたし、一旦ページ跨いで落ち着こか…。
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