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「えー……シンプソンです……馭者です。」
ダドリーさんに続いて自己紹介をした馭者のシンプソンさんは50歳くらいのおじさまで、なんと言うか……とっても影の薄い人だった。
「吾輩は護衛騎士のマシュー・リッジウェイである!」
シンプソンさんに続いて名乗ったのは、ツヤのある金髪をオールバックにした精悍な顔立ちの騎士さんだった。
歳はシンプソンさんと同じくらいか、初老と言ってもいい歳のようだが背筋をピンと伸ばした姿勢は、まだまだ若い者には負けん!と全身で主張しているかのようだ。
腰に下げたロングソードがとっても似合っていた。
「隣にいるのは従卒のユダである。以上っ!」
彼の横にいたのはワインレッドの瞳と黒髪を持つ褐色肌の小柄な少年で、自己紹介も含めて一言も喋らなかった。
「館付きの楽士、ナンシー・エリットです。ピアノも弾けるけど、本職はヴァイオリン。よろしくね♪」
少年の向かい側にいた若い女性が続いて自己紹介をする。その人は長いブロンドを綺麗に結い上げた物凄い美女で、まるで品定めをするかのようにケイト様を数秒の間じっと見つめ、おもむろに一礼した。
うわぁ……なんか挑戦的……
「庭師やっとります。カーペンターです。」
ちょっと張り詰めた空気を全く意に介さず、彼女の隣にいた白髪の老紳士が一礼する。
はっきり言ってダニエルさまよりこの人のほうがよほど執事っぽかった。
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