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今朝の話を聞くまではこの席で嬉しかったのに、今となっては席替えしたくてたまらなかった。
夏休みが明けるまで席替えしないだろうし、残りの約1ヶ月私は耐えられるだろうか。
幸い、小野のことは誰にも相談していない。
私が態度に出さない限り、この思いを誰にも知られることはないと思う。
私のこの気持ち、ずっと降り続いている雨で消してくれないかな。そうしたら楽になるのに。
「……こんな雨じゃ足りないか」
窓の外を眺めながら、誰にも聞こえないぐらいの声でボソッと呟く。
どしゃ降りの雨を願うことしか今の私には出来なかった。
好きになるのは一瞬だったのに、その気持ちを消すのは大変なことらしい。
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