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私の名前は神藤玖漓亜
一流の大学では無いけど、一応大学は卒業してるから大卒で会社に入社は出来た。
ザワザワ
ガヤガヤ
「おい、神藤こっちに来い」
「……はい…」
私を呼びつけたのは一緒に組んでる上司の片林夏毅
「取材だ、支度しろ」
「…はい…」
「どうした?元気無いな…」
「元気も無くなりますよ…ハードなんですから…」
「知ってて入社したんだろうが、文句言うなら俺のパートナーから外れるか?」
「いいえ…文句を言って済みませんでした」
「本当にそう思ってるのか…」
「思ってますっ…」
「じゃあ行くぞ、付いて来い」
「はい」
タッ
ザワザワ
ガヤガヤ
私が入社したのは大手の出版社の樋山出版社。様々な雑誌を出版する会社で、私が配属になったのはグルメ雑誌、〔美味いじゃん!!〕
美味いじゃんはグルメ雑誌ナンバーワンの発行部数と売上を誇り、片林さんはその雑誌の編集者兼、記者なのだ。
何処に就職しようか迷っていた時、ある雑誌を手に取ると、ページを捲って見たら美味しそうなメロンパンが写真で掲載されていて、感想を読んだのである。
感想を記載したのは片林夏毅と書いてあった。
とても食べたくなるようなコメントが掲載されていて、私はそのメロンパンが直ぐに食べたくなってパンのショップに買いに走る。
中へ入ると、オシャレな雰囲気ながらも客層は様々で、店内は笑顔で溢れている。雑誌で見たメロンパンが食べたくて、私は陳列されたパンを片っ端から見て探してやっと見付けた。
そのお店で人気ナンバーワンのメロンパンは残り僅か1個だった。私が手を伸ばしてトレーに乗せようとした時、同時に手が伸びてきて、思わず隣に視線を向ける。
わりと端正な顔立ちのイケメンで、私よりは年上だろうと思う…
「メロンパン狙いか…」
「えっ…あ…はい…」
「俺も…クスッ」
「あ…でも…宜しければどうぞ…私はこの次に買いに来ますから…」
「君…このパンを食べたことは?」
「な…無いです…雑誌で見て…読んで…食べたくなって…」
「雑誌?…そうか…クスッ。俺は以前に食べたことがあるから譲るよ。君が買うといい」
「ありがとうございます…お言葉に甘えて…」
譲って貰いメロンパンを買うことが出来、私に譲ってくれた人は別のパンを買ったようだった。
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