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家の鍵
キーコーン、カーコーン
‥‥授業の終わりのチャイムがなる。
いつも通りのクラス、いつものメンバー、いつもの勉強そして、いつもの帰り道、ひょんな事からまさか、私の毎日が変わるなんて思わなかった。
【五月四日】
チャイムが鳴り終わるとクラスメイトで親友の広町 小百合が私の机にきた。
「ねぇねえ!紬!」
相変わらず元気だなぁ
「んー、何?小百合?」
「オシャレしなさい!!」
「もう、毎回うるさいよ!」
「だって!元が良いのに、ボサボサだなんてもったいないじゃない!!」
「ご冗談はよしてよー」
「本当だって!黒くて綺麗な長い髪、色白で華奢な体、小さい顔、綺麗な目、なのに!いっつもボサボサで宝の持ち腐れよ!」
そんな事ないのに……むしろ小百合の方が可愛いけど!茶髪で切な髪を一つにまとめ、スッキリとした髪型で、目は大きく、目元はシャープがかって、美人だ。学校で一二を争うレベルで絶対美人だろう。
「ってか最近小百合もっと何か綺麗だよね」
前も綺麗だったが今は何で言うんだろ……オーラがある?
「よく、きずいたわね!私“恋”しちゃったのよ!」
「えー!あの小百合が!」
「“あの”ってなによ。」
いやだって、理想がかなり高い小百合が惚れるなんて…
一体誰?
「お相手は?」
「……内緒」
「えー」
「だって、その方が面白いじゃない!悔しかったら見つけてみなさい、いっそアンタも“恋”したら?」
「…‥めんどくさそうだからヤダ」
「何言ってんのよ!女は恋する乙女、いくらでも素敵に変わる事ができるキッカケありまくりなのよ!」
「……それに」
「それに?」
「約束したから…」
「アンタも律儀ねー、小さい頃にした“約束”を守ろうとするなんて、ロマンチックよね!夢があっていいじゃない!
でも、何で肝心の顔を覚えてないのよ!」
「うっ」
痛い所ついてくるなぁ。何かわからないけど、顔のところだけ、その子を思い出すと何か、ぼやけるんだよねー
「もう、まぁでも紬に白馬の王子様がくるわよ!」
白馬の王子様なんて……白雪姫にしか出てこないよ。
「あっ、今日さこんなもの拾ったのよ!
アンタのものじゃないわよね?」
小百合は自身のポケットをあさり出した。
そして、ポケットから出てきたのは……封がしてある真っ黒い小さな箱だった。
なんだろう……嫌な感じがする。
「私のものじゃないけど……ねぇ、小百合何処で“それ”拾ったの?」
「そうねー?確か第一理解室の倉庫よ」
そんな物あったけ?
「まぁ、いいじゃない!アンタのものじゃないなら、落とし物BOXに入れるわ」
「それがいいよ」
「んじゃ、帰る時ついでに職員室の落とし物BOXよりますか!さて!今日は数学みっちりで疲れたから、歌うわよー」
張り切ってんなぁー
そして、私たちは職員室に寄った後カラオケに寄って歌いまくった。
「はぁー、うたいまくった!!楽しかったわね、紬」
「うん、また来ようね。」
「そうね!さて、お会計、お会計と……」
会計はいつも二人で割り勘だ。
私は自分の財布をバックの中から探し出した……
「あれ?」
「どうしたの?紬?」
「やっちゃった……財布はあるんだけど…家の鍵置いてきちゃった学校に」
「あちゃー、そりゃやっちゃったねー。いつもならついて行きたいんだけどごめん、これから塾あるからついていけないや」
「いや、大丈夫、近くだしすぐ家に帰る事もできるし」
「そっか、気をつけていってね!最近不審者情報多いし、アンタ可愛いし心配なのよ!」
「ふふっ、大袈裟だよ小百合私は可愛くないよ、それに何かあったらすぐ逃げるし」
私で可愛いって言ったたら世の中の女の子はどんだけ可愛いんだろう……
「もう、だからの大袈裟じゃ「早くお会計行こ?」
話が長くなると察した私はさっさと会計の所に足を進めた。
「もうー、話は最後まで聞きなさーい!」
ふふっ、面白いなぁ小百合は
会計が終わった後私は学校に足を進めた……まだ学校は空いているだろうか?空いたなかったら9時まで家の前で座ったないといけないんだが……
私の両親は6年前離婚、そのあと母が女手一つで私をここまで育ててくれた。仕事が大変なのかいっつも夜遅くに帰ってくる。そんな母を見ていると早く大人になりたいと思う……
母はゆっくり大きくなりなさいと言うけど……
自分一人で出来ることが増えたら母も楽になるだろうといつも思う……
そんな事を考えていると学校についた。
夜の学校は月光に照らされていっそう不気味だった。
……夜の学校はとても不気味だ、普段昼間学校にいる時はなんとも思わないのに夜になると【恐怖】を感じる。
やはり、小学生の頃に流行った【七不思議】のせいだろうか?
私は早くこの場から去りたかったので少し早歩きで学校の昇降口に移動した。
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