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捕らえられた静御前は、丁重に鎌倉の幕府に連行された。
義経の行方を尋問されるも、静御前は決して口を開こうとはしなかった。
幕府の総本山・鶴岡八幡宮で、任官下達の儀式が催しとして行われたときのことであった。
将軍・頼朝は静御前が白拍子だったことを知って、社殿の舞台で踊るよう命令した。
静御前は何度も断ったが命が危ないとわかると、渋々舞を踊った。
「吉野山 峰の白雪 ふみ分けて 入りにし人の 後ぞ恋しき」
言わずとしれた、別れた義経を思う歌である。
頼朝はこれを聞いて激怒した。しかし妻・北条政子は言った。
「私も同じ立場でしたら、あのような歌を詠んだでしょう」
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