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現代の鎌倉・七里ヶ浜。
「ぎゃー!」阿鼻叫喚の叫びが砂浜の風にかき消された。
鎌倉・七里ヶ浜の海。静御前は、我が子が殺されるのを半狂乱で這いつくばっていた。
静御前の赤ん坊は、今、幕府の家臣、安達清経の手で、静の母、磯禅師から奪い取られた。
海の水に沈められようとしているのであった。
「いやあ! 九郎さまと私の赤子!! ぎゃああああ!」
ザブ、ザブ、清経の家臣が赤子を抱いて、水晶色の海に分け入っていく。
静御前は、半狂乱のまま気絶した。
小さな命は、消え入るように海底に沈められた。
静御前の行方はその後、杳として知られていない・・・。
サーファーや海水客で賑わう。かつてここが悲劇の場所であったことを知るものは少ない。
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