6人が本棚に入れています
本棚に追加
ライドに乗っている間、彼女は興奮しっぱなし。飛行機の翼に乗って敵を追いかける場面では、叫び声まで上げていた。
「あー、エキサイティング! 私、トム・クルーズのこのシリーズが大好きなの」
「すずさんに喜んでもらえて嬉しいですよ」
続いて、彼女はスター・トレック・ザ・ライドへ走った。
私も懸命に走った。
真っ暗な空間をライドが走る。とたんに四方八方から光の洪水。
「きゃあ、惑星間ワープよ」
何とノリのいい人だ。そばにいると私は少し恥ずかしい。
異星人とのバトルのあと、急降下して海へ落下。水しぶきに悲鳴を上げると、明るい外界へ無事脱出。
「これもいいわあ! 噂よりずっと楽しい」
「ええ、とても楽しめますね」
このペースが一日中続くかと思うと、私には先が思いやられた。
「あー、あれが一番乗りたかったのよ」
彼女が指さす先には、インディ・ジョーンズの冒険のジェットコースターがあった。
私は身震いした。あれは一回転どころではない。あの高さで、しかもあのスピードで疾走するなんて。地上で見るだけでも恐ろしい。
「ねえ、光平さん。早く並びましょうよ」
最初のコメントを投稿しよう!