恋の操り師

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 さあ、どうする? 私はスマホを手にした。  ピロロン。 「ごめん。会社から緊急のメールが入ったんだ。悪いけど、先に並んでいて。もし、時間がかかったら、すずさん一人で楽しんでて」  彼女はふくれっ面をした。 「もう、光平さんたら。私と会社とどっちが大事なの? 絶対、後で来てね」  その日一日ですべての乗り物を制覇したいと、彼女は場内を駆け回った。私はもちろん後に従ったが、ジェットコースター系の乗り物になると、スマホを手にした。  夕方、暗くなった場内で、エレクトリカル・パレードを見ながら、彼女がささやいた。 「ねえ、光平さん。今日はとっても楽しかったわ。私に付き合ってくれてありがとう。私、まだ時間はあるわよ。この後どこに行く?」  実年齢よりはるかに若く見える彼女の言葉にそそられない男はいない。私は急いでスマホを手にした。  ピロロン。 「光平さんったら、またお仕事なの?」  ぶすっとした彼女も魅力的だ。 「すずさん、ごめん。会社の社長ともなると、祝日でも連絡が来るんだ。僕が決済しないと動かないからね。埋め合わせは必ずするから、今日のところはこれで帰ろう」
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