聖なる祈り

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「縦横の違いとニコイチってこういう事か」  ボソッとミゲルが小さく呟いたのをミリアが不思議そうに見上げた。 「ジジイ曰く(いわく)、俺らは2人で一人前なんだってさ」 「そうなんですか」 「お前が縦で俺が横なんだとさ」 「あ、なるほど。でも手を繋ぐと魔力が循環してるんでしょうか、なんかすごく楽ですね」 「ああ、安定してる感じがする」  2人で部屋を見回すと段々と光が落ち着いていくのが見える。  チリチリと小さな鈴の音がして金の雪が聖堂の中に降り始めた。  招待客たちが小さな声で囁きながら、指で雪を触ると鈴の音を残して消えていく。 「奇跡の雪じゃなぁ」  お爺ちゃんが目を細めてボソリとそう呟いた。  招待客達は何やら嬉しそうな顔で掌に雪を受け止めて感心している。  大神官の合図で神官達が慌ててクリスタルボウルを鳴らす。   「これにて承認の儀を終了とする」  大神官が(おごそか)に告げると、観客たちも一斉に(うやうや)しくお辞儀をする。  ミリアはミゲルにエスコートされて壇上に戻り大神官の後ろに並ぶと、ホッとため息をついたのであった・・・が。 「続けて今回はワシ個人より、認定の義を執り行う」 「「「「「「?」」」」」」  大神官の言葉にその場にいた全員の動きがピタっと止まったのであった。
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