お爺ちゃんと内緒話

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お爺ちゃんと内緒話

   さて、ミリアは翌週には王都のタウンハウスの自室で日課の筋トレに励んでいた。  剣での素振り百回と、庭でのランニングは朝のうちに終わらせておいたので、筋トレ後のストレッチで本日の運動は終了である。  出来ればサンドバックを部屋に吊り下げ、ボクシング、若しくはムエタイ辺りを実践したい所だが、母とマーサに泣いて縋られるのがオチなので、未だ実践に至っていない。 「ミリアちゃん、もう直ぐおでかけよ~」  と母の声が聞えた。タオルで汗を拭い、 「はーい」  と返事をし、クローゼットから一張羅の乗馬用ジャケットを羽織って部屋を飛び出し、階段を駆け下り十段くらい手前で玄関ホールに華麗にスタッと飛び降り着地するる。  ウ~ン8点! 因みに満点は10点ね。 「ミリアちゃん・・・」  今日も母は絶好調で美しい。が、眉尻は下がっていた。 「お嫁に行けないわよ・・・」 「うえっ。お嫁とか気持ち悪っ」 「・・・はあ」  本気で顔色を悪くする娘の将来を、不安に思う母である。 「母様、ダニエルがお嫁さんを貰えば我が家は安泰です。私の事は全くもって気にしないでください」  ダニエルはミリアンヌの3歳下の弟である。  金髪碧眼の天使っぷりは、侯爵家のアイドルだ。  そのまま素直に育ちさえすればイケメン決定なので、引く手数多の優良物件になるはずだ。 「結婚だけが幸せではありません」  とか何とか言ってはいるが、中身が未だ男のままだから仕方ない。男と結婚なぞ御免被る!  ま、計画では結婚しなくても良いようになるはずだしね。  
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