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思い出す
ある日突然、ミリアは前世を思い出した。
『しまった。やべえ俺、聖女じゃんw』
まだまだ赤ん坊の時だったので、ちょっとだけホッとするミリアである。
これならまだ自分で人生設計が出来るはずだ。
因みに 何故気がついたかというと、離乳食を食べさせてくれている侍女の横で、それを見ては喜ぶ母親の顔をじっと見ていてからだった。
『うわーやべえ、めっちゃ美人だわ。でも俺この顔見た事あるよなあ? ・・・ オレ!?』
ジッと自分の手を見ると小さい? え。何でこんなにちっさいの?
その夜、小さなミリアは発熱した。
所謂「突発性発疹」というやつだ。
医者は普通に赤ん坊に良くある事なので、水分を与えてよく冷やすよう言って、熱が下がった後の沐浴用のポーションを両親に渡して帰っていった。
『他人事だと思って、アッサリ帰りやがって! 全くもう~』
ミリアは初めての体験に取り乱し泣いていた母親に、熱のある手でヨシヨシをしてあげる。
それを見た父親が
「キャサリン、君、熱のあるミリアに慰められてるよ・・・」
「ホントだわ・・・」
『ったりめーだ、オヤジ。しっかり自分のオンナを労れよな。俺にやらせんな! 』
父親を見る目つきは三白眼だ。
「ミリアが不機嫌だな~ そうパパを睨んじゃだめだよ~」
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