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「・・・母様、マーサに自分の言い分を任せてはいけませんよ、自分の意見は自分で相手にハッキリと主張してください」
「・・・ハイ・・・」
「そもそも今日は、魔力検査であってお誕生日パーティーでもなければ、夜会でも無いんです。神殿からのお手紙には『平服で』と書いてあった筈ですよ。私の平服は、乗馬服です」
「「・・・ソウデスネ・・・」」
さっさと自分のクローゼットを開けて、いつもの乗馬服を取り出して、ちゃちゃっと着替えてしまう愛娘を見て、ガックリの母と侍女を尻目に
「では、時間までは日課の筋トレに励むので、母さまとマーサは2人でお茶でもして下さい」
ニッコリと笑顔でマーサにドレスを渡すミリアンヌ。
チベットスナギツネの様な顔でそれを受け取る侍女。
「ハイハイ、2人は出かける支度もしておくようにね」
部屋から追い出される直前に振り返ると、絨毯の上でにこやかな笑顔でヒンズースクワットをする美少女が目に入り、ついため息をつく女主人と侍女であった。
「ミリアちゃんはあんなに綺麗で可愛いのに・・・」
「そうですね」
「何処で育て方間違ったのかしら・・・」
「・・・・」
物心つく前からああだったんじゃないかな、と口に出さずに黙った自分を褒めるマーサであっであった。
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