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ホウ・レン・ソウは大事
ミゲル・ハイドランジア王弟殿下が次期『聖王』となる事が決定した。
そしてミリアンヌ・アークライド侯爵令嬢が『大聖女』と言われる存在として覚醒し、2人同時の承認式が開催される旨が各国に伝えられた。
これに対して各国は魔法便により祝辞をハイドランジア国王と大神殿に送る事になったが、承認式典に各国の代表が知らせが急すぎて各国から間に合わないという抗議文も集まっていた。
しかしそこは人外@お爺ちゃん。
各国に向けて正式に聖王が大転移を行うと発表したのである。
行き先が特定でき、その場所に自在に魔法陣を描けるだけの知識と膨大な魔力供給があればメルや聖王、王宮魔導師達の様に自在に転移は出来る。
しかし、他国はそうでもない。
それは各国に転移に魔力を使える膨大な魔力を持つ魔法使いがほとんどいないからである。
それに比べるとハイドランジアでは『転移魔法』はもはや馴染みの魔法である。
ハイドランジア国内なら神殿さえあれば魔力の無い者でも使うことの出来る神聖魔法陣の描かれた転移門がここ10年程で神殿内に備えられるようになった。
この転移門は大きな物も運べるように設計されていて、荷物や馬や馬車サイズ迄なら気軽に移動出来る。
当然料金はお布施として発生するが・・・
この転移門を使う場合は行き先は神殿から神殿という規則がある。
転移した先に人や物が存在出来るだけの空間がなければ失敗する為、安全のための決まりである。
そして、魔力はあれども個人で上手く転移先の設定できない人のための魔道具としてスクロールが以前より普及しているが一般には出回っておらず、専ら冒険者ギルドで販売している。
各国の代表もスクロールを使い移転が出来る事は知ってはいたが、まさか式典に呼ぶために召喚も帰還も転移魔法を使うという規格外のことをするとは考えなかったようで、度肝を抜かれたようである・・・
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