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「良かったですねえ、良いお天気に恵まれて」
大神殿の聖女の控室。
緊張しまくりで朝から胃の痛いミリアの長いストロベリーブロンドをハーフアップに結い上げながら、ご機嫌のマーサである。
「う、うん。そうだねマーサ・・・」
「殿下を探しにお嬢様が出掛けた時は本当に心配いたしましたよ」
そう言いながら目線は鏡の中のミリアに向いているが、手は全く休まず動き続ける侍女頭。
うーん全自動。
続いて顔に薄化粧を施すと、キトンを目にも留まらぬ早業でミリアに着付けていくマーサ・・・ 流石はプロである。
王家の茶会の時と同じ様に美しい襞を作って一枚の布をドレスとして着付けていく。
承認式にはこのドレスの上から更にミスタリーレを織り込んだ布で作られたヒマティオンを肩から腰にかけて斜めに羽織り肩で美しいドレープを作る。
編み込んだ髪に白い小さな生花を散らすように飾り付け、装飾品は『ミゲルの独占欲丸出し』という各方面より高評価を受けたサークレット、ネックレス、イヤリングの三点セットである・・・
「お嬢様、こうやって何回も何回もお嫁様みたいな衣装を着てると本番は何を着ていいか分からなくなりそうですね・・・」
ニンマリと笑うマーサと鏡越しに目が合い、ミリアが思わず引き攣り笑いになったのは言うまでもない。
本来のサイズに戻ったロッドを右手に持って廊下に出ると迎えに来ていた女性神官達が傅く様に恭しくお辞儀をすると、大聖堂に向かい歩き出したミリアンヌに付き従って共に進み始める。
目線だけでチラリと横を見ると、マーサが控室のドア前で恭しくお辞儀をしているのが見えた。
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